2020年4月29日水曜日

Doggie Project


Peace on Earth, Happiness in Heart

Doggie Project is a small project with a BIG vision that was initiated by an
individual passionate about understanding our best friends: Dogs.

When we are able to understand Dogs, we will be able to get closer to nature
again.  Then, we will be able to recognize the value of Peace.  When we are
able to understand Peace, we will be able to carry Happiness in our hearts. 

The Mission of Doggie Project is to bring Happiness to each person’s heart
and Peace on Earth by teaching others to understand better the nature of Dogs
by helping Dog owners to build a healthier relationship with their beloved pets;
and by making a good life possible for thousands of homeless Dogs whose future 
rests on their human's understanding.

We keep working with one Dog, one person at a time…  


2018年3月8日木曜日

最終回「闘う」

犬と人間の快適な生活のためにと7年5カ月休まず書き続けてきたこの「ドギーパラダイス!」も、今回で終止符を打つことになりました。最終回は、何か記念になることを書いて……と考えていたそんな折に不意の出来事が起こりました。愛犬ノアが、悪性リンパ腫を患っていることが発覚したのです。今回は、そんなノアと私の闘いのお話です。

間一髪

 去年の夏、ノアのあごの下に小さなシコリを見つけました。その時は大事扱いせず、様子を見ることにしました。秋に予防注射で病院に行った際、触診で獣医師がノアの鎖骨辺りの両側にもシコリがあることを発見。位置的にリンパの病気の疑いが強いと。炎症性の可能性もあるので一旦抗生物質で様子を見ましたが、まったく小さくなる兆しがなかったため、細胞診を行いました。結果、悪性リンパ腫の可能性が高いと言われました。ノア自身はいたって普通で、まったく病気らしい素振りを見せていなかったため、予防注射で訪れた専門家の触診で間一髪での大病の発見となりました。発見が少し遅れていたら、あっという間に酷い時点まで進行し、具合が悪くなって急いで病院に駆け込むという形になっていたかもしれません。

素早い行動と対処

 リンパ球は全身を循環するため、短期間で体全体を冒してしまうので素早い行動と対処が必要でした。即、がん専門医に診てもらうことに。やはり、ステージ3の悪性リンパ腫でした。犬のリンパ腫の治療法に手術という道はなく、抗がん剤を使った化学治療のみ。もし、抗がん剤治療をしないなら、ステロイドで炎症を和らげながら、ホスピス・ケアしかありません。その場合はがん細胞が急速に進行して全身の臓器に障害を起こすため、余命は1〜2カ月くらいと言われました。
 まったく自覚症状なくいつも通りに暮らす愛犬を目の前にしての余命1〜2カ月の宣告。頭が真っ白になりました。何も知らず、毎日のほほんと暮らしている愛犬です。心臓が引き裂かれる思いでした。「でも、私たちには化学治療という道がある!」。治療費は、目が飛び出る程の高額ですが、お金はどうにでもなること。すぐに抗がん剤治療を始めることにしました。ここで学んだのは、愛犬の体・体調に「うん?」と思うようなことがあれば、素早く行動を起こすこと。
 犬の一日は人間の数倍に値します。一日延ばしたために手遅れにならないように気をつけなければいけません。また、飼い主も普段から犬の病気についてある程度の知識を身につけていること。何か起こった時、知識があれば賢い判断と対応をしやすいです。そして、意見を聞き、信頼できる支えを周りに持っていることは大変な強味です。

病は気から

 今、ノアと私は毎週近くのCancer Centerに治療に通っています。幸い、リンパ腫は抗がん剤治療が大変良く反応するということ。確かに、一回目の治療の後すぐに腫瘍が小さくなり、担当医も「よし!」と結果に満足していました。また犬の場合は、抗がん剤の強い副作用が出ることは稀らしく、ノアも今のところ副作用で悩まされていません。抗がん剤治療のみならず、いろんな角度から、がんになんか負けないぞ! と親子で一生懸命闘っています。目の前に現れる課題を冷静に一つひとつ対処し、常に前向きな姿勢でこの恐ろしい病気とがっつりぶつかる。そして、毎日を笑い一杯、愛一杯で楽しく過ごすことがノアへの「最強の薬」になると信じています。

長い間ご愛読ありがとうございました!
Photo © Maho Teraguchi

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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com


2018年2月5日月曜日

第112回「犬の毛色」

犬の毛色で、人間に一番人気のない色は何色か知っていますか? 答えは、黒。黒犬大好き!な人たちは、きっとびっくりしているのでは? しかしこれは事実で、犬種に関わりなく、シェルターにいる中・大型の黒犬はほかの色の犬に比べてアダプトされる確率がとても低いのです。ゆえに多くのシェルターでは、黒犬のスペシャル・アダプションデー(アダプション費用激安など)のイベントを企画することで、この現象により被害を受けている犬たちのアダプション率向上に力を入れています。今回は、人間の好む犬の毛色、また犬同士ではお互いの毛色をどう捉えているのかなど「犬の毛色」についてのお話です。

ブラックドッグ・シンドローム

人が黒犬を避けるこの現象は、“ブラックドッグ・シンドローム”といわれています。理由としては、1)怖そうに見える、2)かわいくない、3)黒のイメージ自体が悪魔など悪いイメージにつながる、4)歳を取ると顔が真っ白になる、5)写真写りが悪い、6)表情が読み取りにくい、7)平凡過ぎる、などが挙げられるそうです。この状況に困惑した全米のシェルターやレスキュー団体は、それをブラックドッグ・シンドロームと名付けて問題視し、この悲しい概念を覆そうとさまざまな努力をしています。
では、黒色以外に犬の毛色や柄にはどんなものがあるのか? 一番多様なのは茶色系の毛色で、ブラウン、チョコレート、リバー、ファウン、ライトブラウン、レッド、アプリコット、オレンジなどに細かく分かれます。似た色ではゴールドとイエロー、タンなどと呼ばれる色種もあります。グレー系の毛色はブルー、シルバーなどと呼ばれ、白系はホワイト、クリームなどがあります。また毛色以外に毛の柄の呼び名もあります。たとえばダルメシアンのような柄だと、スポット。胸の部分が白毛の犬ならタキシード。まだら模様はブリンドル。ビーグルのように毛色が3色の柄はトライカラーと呼ばれます。
黒毛の犬が人間に一番人気のない色だとすれば、一番人気の毛色は何色なのかというと、これは犬種でそれぞれ異なります。たとえばプードルなら、現在はアプリコットが一番人気。ピットブル・テリアのダントツ人気は以前はレッドでしたが、その後“レア物”のブルーが一気に一番人気となり、「これは“いい商品”になる!」と、バックヤード・ブリーダーがせっせとブルーのピットブルの繁殖に励みました。伝統や血統を大切にするブリーダーは犬種規定の色を厳守しますが、ビジネス目的で犬をつくるブリーダーはせっせと交配させてはレア色をつくり、流行を生み出します。最近では人間のように、毛染めで“お洒落させる”飼い主もいます。こう見ても分かるように、結局、犬の毛色は人間のファッション・アイテムになってしまっているのでしょう。

犬たちにとっての毛色

それでは、当の犬たちは同種の毛色や柄のことをどう捉えているのでしょうか? 犬たちの間で毛色が大切な理由は一つ。識別のためです。遠距離にほかの犬を見つけた時、彼らは色、サイズ、形、ボディランゲージなどで相手を識別します。知っている犬か? 相手がどんな態度で何を求めているか? そういうインフォメーションをゲットする要素なのです。日頃から犬に学ぶことはたくさんありますが、毛色や柄(外見や種類)における人間と犬の捉え方の違いを知る時、つくづく人間の浅はかさを教えられます。
さて、いよいよ次号は最終回。最後に相応しい記事をお届けしたいと思いますので、お楽しみに!


この黒犬をみて何を感じるか…
Photo © Maho Teraguchi


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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com

2018年1月5日金曜日

第111回「おしっこ・うんち」

愛犬のおしっこやうんち、日頃からきちんと観察していますか? 排泄物は、犬の健康状態を示す大切な信号です。飼い主は、普段から愛犬の排泄状況や出た物の状態をチェックし、何か変化があれば、すぐに気がつけるようにしていることが大事。今回は、飼い主として知っておきたいおしっことうんちのお話です。

健康のバロメーター

体の調子が悪くても、言葉で説明できない愛犬の健康状態を知るために、排泄する時の行動や排泄物は指標になります。普段から、愛犬の排泄の回数、仕方、量、色、臭いなどに着眼しておきましょう。異常を発見するために覚えておきたいのは、急に排泄の回数が上下するなどの変化を見つけることです。また、出したいのに出せないで困ったり、苦しそうにしたり、悲痛な声を上げたりしたら要注意。
しっかりとしたうんちがたっぷり出たから良い! というわけでもなく、たくさん出ているということは食べ過ぎのサインでもあり、また、食べたものにいらないものが多く含まれていたという意味になります。体に良いものを食べていると、うんちの量が大量になることはありません。食べ物の質を見直して、うんちの量の変化を見てみるといいでしょう。同じ食べ物を食べさせていると、おしっこやうんちの色も臭いも一定のはずですが、もし色や臭いに変化があったり、異常を感じたりしたら、現物を持参して専門家に診てもらうのが良いでしょう。
愛犬ノアがまだパピーだった頃、ちょっと目を離したすきに、容器に一杯入ったワセリンをほぼ全部舐めてしまったことがありました。すると大変な便秘に……。とにかくうんちが出せない。しゃがんではいきむのですが、何も出てこない。ノアも私も焦って困り果てました。色んな人の意見を参考に、ヨーグルト、繊維の多い果物や野菜を一杯食べさせ、とにかく体を動かしました。すると、やっとのことで変な色のうんちが出て、一件落着。今では笑い話ですが、異物を食べて命を落とす犬もいるので、愛犬が食べてはいけないものを口にしてしまわないよう十分気をつけましょう。

犬の連絡網

散歩中の犬の排泄方法を見ていたら、犬のおっしこやうんちが「体に不必要なものを排泄する行為」だけではないことが分かります。犬は、くんくんと地面や木や電柱などの臭いを嗅ぎ、排泄する場所選びに多いに時間を費やします。また排泄の回数ややり方(オスの場合、足の上げ方)など排泄にこだわりも示します。それは、犬たちが自分の排泄物を使って仲間たちとコミュニケーションを取っているからなのです。犬は、他の犬の排泄物の臭いで「いつ」「だれが」「何を食べ」「どんな健康状態で」「どんな精神状態であるか」などが判断できます。また、人間にとってはどうでもいいような排泄の場所や位置選びは、犬の間ではとても重要な意味をなします。そのため犬たちは一生懸命地面などの臭いを嗅ぎ、情報収集します。自分たちの排泄物の臭いが見えない相手との「会話」なのです。排泄した後に土を蹴る行為も同じような意味があります。地面を蹴ることで足の裏から分泌物を出し、それをまき散らして自分の領域表示をします。また、メス犬は発情期には、自分の排泄物で周りのオス犬たちに発情していることを連絡します。ただし、臭い嗅ぎが犬にとって大切な行動だからと、散歩中、終始犬に主導権を渡し、したいようにさせていいというわけではないので誤解のないように。
深い意味がいっぱい詰まった犬のおしっことうんち。これからの散歩で愛犬の排泄を観察し、学んでみると愛犬との生活が一層楽しくなると思います。
次回は「犬の毛色」と題し、細かく分けられている犬の被毛の色についてのお話です。お楽しみに!

“ピーメール”でご近所の仲間に連絡中の著者の愛犬ノア
Photo © Maho Teraguchi

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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com

2017年12月4日月曜日

第110回「犬とホリデーシーズン」

町中がキラキラときれいなイルミネーションで飾られ、気持ちも躍る季節になりましたね。この時期は、きっと多くのお家でパーティが行われることでしょう。最近は、愛犬も家族の一員として、または主役と化して、パーティに同席するのが当たり前になってきました。今回は「犬とホリデーシーズン」と題し、何かとイベントが続くこの時期に怪我・事故のない楽しい時間を過ごすために、飼い主として気を付けておきたい点のお話です。

痛っ!

実は、そういう私も、この夏自宅で行ったBBQパーティの際に、大怪我をしてしまいました。パーティのことで気もそぞろになっている私を愛犬ノアが不意に引っ張り、顔面から転倒するはめに。足も捻挫し、大変な思いをしました。「浮き立つ」という言葉が物語るように、特別なことがあると、飼い主の気持ちがそぞろになってしまい、普段はきちんと出来ている愛犬の監督もおろそかになりがちです。そうすると、計算外のことが起こってしまう時も。そして、せっかくの楽しい時間にも水を差してしまい、良いところなしという結果に……。
お客さんが気を利かせて愛犬の散歩などを買って出るかもしれませんが、自分の犬が一番分かるのは飼い主です。やめた方が良いと思えばはっきり断る。お客さんでも、変な気を遣わずに、正直に対応すると余計な事故やケガを防げます。また、パーティ中に、愛犬が賑やかな場所から隠れることの出来るスペースと時間を提供してあげることも忘れないで。声を出して気持ちの説明が出来ない犬を守ってあげられるのは飼い主です。特別なイベントの際でも愛犬のことを一番に考えてあげましょう。

今日は特別?

特別な時だからと、犬が人間の食べ物をたくさん頂戴することになるのも、このホリデーシーズンです。しかし、それは犬にとって、健康にもしつけにも良くないこと。人間には美味しいものでも、犬には毒になる食べ物も色々あります(*)。また、色んな人から次から次へとトリートなどをもらい、食べ過ぎでお腹をこわす可能性もあるので、食べる量も気を付けてあげましょう。少々の甘やかしは良いにしても、普段絶対にさせないことを「今日は特別」とさせてしまうと、犬を混乱させることになるので、普段だめなものは特別な日でもだめ。それが本当の意味で愛犬のためになっていることを忘れないように。

ギフトに犬!?

クリスマスに犬をプレゼントにすることについては、賛否両論あるでしょう。私は基本的には賛成派です。それというのも、贈り物はそれだけひとしおの心入れになるので、一生大切にするという気持ちを育む意味ではいいアイデア。しかし、サプライズギフトにするのだけは絶対に避けましょう。命ある犬は、店やオンラインショップで買って、気に入らなかったら返品出来る商品とは違います。犬に返品はありません。ギフトで贈ると決めたら、準備の段階から一緒に楽しむ贈り物にすればいいと思います。
今年のホリデーシーズン、愛犬にも可愛くおめかしさせて、お家でゲストいっぱいのパーティで盛り上がるのもよし。それとも、賑やかなイベントを避け、愛犬と車で遠出のホリデー旅行もよし。怪我や事故のない楽しい時間をお過ごしください。

Happy Holidays!
次回は、「おしっこ・うんち」と題し、犬の排泄物の裏に隠されている意味についてのお話です。お楽しみに!

ホリデーシーズン、愛犬の様子をチェックすることも忘れないように

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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com


2017年11月4日土曜日

第109回「迷い犬」

ハリケーン、地震、山火事と2017年は、いつにも増して自然災害の発生が多かったように思います。世界のどこかで大災害があるといつも考えさせられるのが、混乱の中でもし愛犬とはぐれてしまったら……ということです。今回は、「迷い犬」と題し、万が一愛犬がいなくなった時、また、道端で路頭に迷う犬を見かけた時のために気をつけるべき大事なポイントのお話です。

愛犬がいない……

万が一愛犬が行方不明になってしまったことを想定して、以下の準備をしておくことをお勧めします。①マイクロチップを埋め込む:マイクロチップとは小さなガラスのシリンダーに入った電子チップで、そのチップは、注射器のようなものでペットの体に埋め込めます。チップには特定の数字が設定されていて、スキャナーを通すとその数字が読み取れます。チップ販売元に飼い主のインフォメーションを登録しておけば、万が一愛犬が迷子になり、保護された先でスキャンされたら、登録されたインフォをたどって飼い主に連絡が来るという仕組みです。ちなみに、愛犬ノアには、HomeAgainという会社製のマイクロチップが埋め込まれています。②首輪に名札を付ける:愛犬の名前と飼い主の連絡先を記載した名札を首輪につけておきましょう。その際には、書かれた情報が擦れて消えないような名札を選ぶこと。ただ、迷子になった際に首輪が外れてしまう可能性もあるので、マイクロチップは必ずしておくことをお勧めします。③Lost Dogの張り紙を作る:実際に愛犬がいなくなったら、パニック状態になる可能性が大です。普段からいざという時のために写真入りの張り紙を作っておきましょう。また、定期的に内容をアップデートすることを忘れずに。④近所のシェルターなどのリストを作る:保護される可能性のある周辺のシェルターや、警察署の所在地と電話番号やメールアドレスをリストにしておきましょう。また、ソーシャルメディアのLost Dogのサイトもブックマークしておくと良いでしょう。

この子はどこの子?

路頭に迷っている犬を保護したが、シェルターに連れて行くと安楽死させられてしまうのでは? と不安になり、自分の家で飼うか、新しい家を見つけてあげようとする人がいます。一見とても尊い行為に思えますが、実は、そうすることで本当の家族との再会のチャンスを妨げてしまっています。迷い犬を保護したら、まずは動物病院やシェルターなど、マイクロチップが埋め込まれているかを確認できる所に連れて行きましょう。また、近辺のシェルターの掲示板や、オンラインなどで、すでに飼い主がLost Dogとして探していないかも確認すること。自分の犬にしたり、新しい家を探したりするより、どこかで夜も眠れずに愛犬を探している飼い主がいるかもしれないということに焦点を当てて、飼い主探しに力を入れるべし。昨今では、ソーシャルメディア上での情報拡散によりインフォメーションが伝達されて飼い主と愛犬が無事に再会を果たすというケースも多いです。
愛犬と飼い主が離れ離れになってしまうことは悲しいことです。最悪の事態になっても、愛犬が飼い主の手元に戻るように、日頃から出来る限りのことをしておきたいですね。
次回は、「犬とホリデーシーズン」と題し、どうしてもいつもと違うルーティーンになるホリデーシーズンに、犬の飼い主として気を付けたい点についてのお話です。お楽しみに!

飼い主のもとに帰らせて……

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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com


2017年10月5日木曜日

第108回「犬はカガミ」

ホモ・サピエンスの人間と、カニスの犬。生態的に大きく違うこの二つの動物ですが、この二者について私が思う一番顕著な違いは、心と裏腹な行動を取れる人間に対して、犬にはそれができないというところではないかと思います。今回は、「犬はカガミ」と題し、私が日頃から、犬たちは人間の「カガミ」だと感じていることについてのお話です。

犬は飼い主の鏡(カガミ)

グループ・レッスンでも、プライベート・セッションの際でも、途中で犬がとんちんかんなことをし始めたり、集中力を欠いてしまったりすることがあります。しかし、飼い主の方はというと、至って平静。でも、実は、この犬の行動の裏には、リーシを握る飼い主の心理状態が大きく関係しています。人間がいらいらしたり、不安になったり、他の事で頭が一杯になったりしたら、リーシの反対側にいる犬は、その人間の心理状態(エネルギー)を丸写しにした行動に出ます。そういう状態を見かけると、私は、すかさず飼い主に「何かに気を取られていますね?」と問いかけます。すると飼い主の方は「どうして分かったのだろう?」というような顔を見せますが、それは自分の犬が鏡になって飼い主の心理状態を教えてくれているからです。人間がいくら平静を装っていても、犬には隠せません。特に飼い主の心理状態は直接的に愛犬の行動に反映されます。
愛犬の問題行動がうまく改善できずに困惑している人に相談を受けたら、「愛犬は飼い主の鏡なので、愛犬の行動を見て、(飼い主の)進歩具合をはかってください」と話しています。すなわち、愛犬の問題行動が直らないのは、飼い主自身の本気度が足りていないからで、飼い主次第で、愛犬の問題行動は変わるということです。
「犬は鏡! と、常に忘れず思っているので、彼の行動で私達の本気度が分かります。思ったよりもっと、もっと、なんでしょうね。意外と奥深いので、その辺を心してやっていこうと思います。犬がきちんと『まだまだだよ!』と教えてくれているんですね。犬は本当に正直でありがたいです」。トレーニングを担当した、ある飼い主さんの言葉です。

犬は生き様の鑑(カガミ)

犬は、飼い主の心を映し出す鏡であると記してきましたが、私にとっては、犬は生き方の鑑(カガミ)です。すなわち、彼らは人生のお手本。犬は、過去を引きずらず、明日に不安を抱かず、とにかく今を一生懸命に生きます。しかし、我々人間はというと、ついつい昔のことにこだわったり、先のことばかり考えたり……。そんな時は、犬の生き様をお手本にすることを心に刻みます。今をしっかり生きることがすべてにつながる! と。
犬が、信頼したり尊敬したりするものを選ぶ尺度も私にとっては人生の鑑です。お金や名誉や学歴や美貌などはまったく関係ない。彼らが信頼し、尊敬する対象は、心身共に強く逞しく、常に冷静な判断が下せる精神の持ち主なのです。そういう要素を基準に、相手を信頼し、尊敬できるかをはかる犬は私には鑑です。
犬の考え方は、すべてが白か黒。行動も白か黒。グレーゾーンのない、直球勝負で生きる犬の世界は私には鑑です。そして、生きる姿勢の鑑である犬との暮らしは、私にとっては何ものにも代えることのできない貴重な財産です。
次回は、「迷い犬」と題し、もし愛犬がいなくなったら、また、飼い主とはぐれて路頭をさまよっている犬を見つけたらどうするかについてのお話です。お楽しみに!

犬をお手本にして生きたい
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てらぐちまほ在米29年。かつては人間の専門家を目指し文化人類学を専攻。2001年からキャリアを変え、子供の頃からの夢であった「犬の専門家」に転身。地元のアニマル・シェルターでアダプション・カウンセリングやトレーニングに関わると共に、個人ではDoggie Project(www.doggieproject.com)というビジネスを設立。犬のトレーニングや問題行動解決サービスを提供している。現在はニューヨークからLAに拠点を移し活躍中。ご意見・ご感想は:info@doggieproject.com